
父さん、厚生年金の保険料のしくみはだいたいわかった気がする。でも、それで結局いくら引かれるの?

うーん…給与によって違うってのはわかったけど、具体的にはどうやって決まるんだろうな…。
年金や制度って、なんだろう?
子どもに聞かれて、うまく答えられなかった。
その経験を出発点に、このブログでは、社会保障のしくみを、ひとつずつ、いっしょに見ていきたいと思います。
今回は、厚生年金の保険料はいくらになるのかということについて、少しだけ、見ていきたいと思います。
保険料は給与とボーナスで決まる
厚生年金の保険料は、給与とボーナス(賞与)の金額によって決まるんです。
給与が多ければ保険料も多く、少なければ少なくなる──そんなしくみになっています。
計算には「標準報酬月額」という考え方が使われていて、これは4〜6月の平均給与をもとに、国が定めた“等級表”に当てはめて決まるんですね。
2025年現在、等級は32段階に分かれていて、それぞれに保険料が設定されています。
実際の金額はどれくらい?
たとえば、給与が23万円の人の場合はこんな感じです:
- 標準報酬月額:24万円=第17等級…等級表で、”23万円以上 25万円未満”はこの区分
- 保険料率:全国一律で18.3%
- 保険料の合計:約43,920円
- 会社負担:約21,960円(半分)
- 本人負担:約21,960円(半分)…この金額が、毎月の給与から自動的に引かれるんですね。
「23万円 × 18.3%」で計算するのではなく、等級ごとに定められた標準報酬月額を使うしくみです。
ボーナスにも保険料がかかる
賞与(ボーナス)にも、厚生年金の保険料はかかるんです。
対象になるのは、年3回までの賞与で、支給額に応じて保険料が計算されます。
- 保険料率:18.3%(月額と同じ率)
- 上限額:1回につき150万円までが対象
- 計算方法:対象額 × 保険料率 → 会社と本人で半分ずつ負担
たとえば、賞与が80万円だった場合はこうなります:
- 保険料の合計:約146,400円
- 会社負担:約73,200円(半分)
- 本人負担:約73,200円(半分)
この金額が、賞与の支給時に自動的に差し引かれるのです。
報酬月額にも賞与額にも上限がある
報酬月額にも賞与額にも上限があります。
2025年現在、月額は65万円まで、賞与は1回につき150万円までが保険料の対象。
たとえば、報酬月額が70万円でも、保険料の計算は65万円を上限に行われます。
同じように、賞与が200万円だった場合でも、保険料がかかるのは150万円まで。
あくまで「保険料の計算がそこで止まる」というしくみです。
上限を超えたからといって、制度の対象外になるわけではないんですね。
自分の保険料を知るには「ねんきんネット」
「自分はいくら払ってるんだろう?」と思ったら、給与明細の控除欄を見てみましょう。
そこには、厚生年金保険料の本人負担分が記載されています。
さらに詳しく知りたい場合は、ねんきんネットで標準報酬月額や加入履歴を確認することもできます。