(親戚の集まりの席にて)

(62)
私ね、勤め始めた頃は”年金は60歳からもらえる”と思ってたよ。
でも、途中から”年金は65歳からです”ってなったのよね。

それっていつ頃?

確か、バブルの終わり頃だったかな。
その頃は、家も買ったばかりだったし、
小さい子どもたちのお金もこれからどんどんかかるから、
とにかく私もパートで働き始めたよ。
夫の扶養の範囲内だけどね。

その頃って、将来どのくらい年金がもらえるからとか、そんな計算もしてた?

全然。
何かその頃、消えた年金問題とかあったしね。あてにしてなかったよ。
その後、ねんきん定期便とかいうハガキなんかも来るようになったけど、見方もよくわかんなかったし、そんなの見ている暇もなかったね。

あったねー、消えた年金問題。

でも、子どもたちも社会人になって、夫もそろそろ定年を迎えるようになってきて、そういえばって、年金のことが気になってきてね。
それでねんきん定期便を、初めてゆっくり見たのよ。いつからいくらもらえるのかなって。
そしたら、63歳からって書いてあってさ。
60でもないし65歳でもないって、どういうこと?

さー?
年金や制度って、なんだろう?
子どもに聞かれて、うまく答えられなかった。
その経験を出発点に、このブログでは、社会保障のしくみを、ひとつずつ、いっしょに見ていきたいと思います。
ねんきん定期便に、「6x歳~ 特別支給の老齢厚生年金」て書いてあって、驚いた方もいるかもしれませんね。
特別支給の老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金とは、ざっくりいうと、60歳から年金がもらえると思って生活してきたのに、(突然)65歳から支給と言われた人たちに対する救済措置のようなものです。
厚生年金は、今の制度では、65歳から支給されますが、かつては60歳から支給されていました。
制度が変わることによって、生活設計に影響が出ることへの配慮などから、生まれた日と性別によって、65歳になる前から受け取れる制度のことなのです。
「報酬比例部分」と「定額部分」
この「特別支給の老齢厚生年金」には、2つの柱があります。
一つは報酬比例部分、もう一つは定額部分
名前だけ聞くとちょっと難しそうですが
- 報酬比例部分=働いていたときの給与や賞与に応じて金額が決まる部分
- 定額部分=加入期間に応じて一定額がもらえる部分
です。
こちらについては、別の記事に簡単に書いてみました。
以下の公式サイトも参考になります。

そういうことねー。ありがとう。
でもそれは、繰り上げとか繰り下げというのとは別なの?
はい。繰り上げ、繰り下げについてはこちらに少し書いていますが、それと特別支給の老齢厚生年金とは別なんです。
そちらについても改めて書こうと思います。