
父さんね、実は20歳から会社に入るまでの間、国民年金を払っていないまま今に至るんだ。
しかも浪人も留年もしたからその期間は約4年。

……え?
それって、まずいんじゃないの…?
年金や制度って、なんだろう?
子どもに聞かれて、うまく答えられなかった。
その経験を出発点に、このブログでは、社会保障のしくみを、ひとつずつ、いっしょに見ていきたいと思います。
年金を払わなかったら・・・
前回は、年金って払わなきゃならないの?というお話をしました。
「年金って、結局よく分からない。」
「将来のために払うのは分かっているけど、毎月の支払いが結構きついな。」
そんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。
特に若いうちは「年金なんてまだ先の話」と考えてしまいがちかもしれませんね。
しかし、もし国民年金を払わないと、私たちの未来にどんな影響があるのでしょうか?
年金を払わなかった場合に起こりうる、3つの大きなリスクに加え、日本年金機構が取る「法的措置」についても一緒に見て行きましょう。
払わないことで起こるリスク
リスク1:将来受け取る年金額が減ってしまう
国民年金は、原則として20歳から60歳までの40年間すべて支払うことで、満額の年金を受け取ることができるんです。
もし支払いを忘れたり、滞納したりすると、その期間は「保険料を納付していない期間」とされてしまうんですね。
納付していない期間が長くなるほど、将来受け取る年金額が減ってしまいます。
例えば、1年支払わなかったら、年間に受け取る年金額が約2万円減ってしまうことも。
これが積み重なると、生涯での総額は大きな差になってしまいます。
リスク2:病気やケガで障害を負った時に「障害年金」がもらえない
障害年金とは、病気やケガで生活や仕事に支障が出た場合に受け取れる年金制度です。
もし働けなくなってしまっても、この年金があれば生活を支えることができるかもしれませんね。
でも、障害年金を受け取るためには、一定期間の国民年金保険料を納めていなければなりません。
年金を払っていない期間が長いと、万が一の時にうけとれないことも。
それって、ちょっと不安ですよね。
リスク3:一家の働き手が亡くなった時に「遺族年金」がもらえない
もし、一家の大黒柱が若くして亡くなってしまったら…。
残された家族は、大きな悲しみと同時に、経済的な不安を抱えることになりますよね。
そんな時に、残された家族の生活を支えるのが「遺族年金」です。
この遺族年金も、亡くなった人が国民年金保険料をきちんと納めていることが受給の条件となるんです。
年金を払っていなかったために、残された家族が十分な支援を受けられない…そんな事態も、起こりうるかもしれません。
さらに重要なリスク:日本年金機構による強制徴収
年金は単なる「貯蓄」ではなく、法律で定められた支払い義務でもあるんです。
所得があるのに滞納を続けると、以下のような法的措置が取られる可能性があります。
督促状の送付
納付勧奨に応じない場合、延滞金が加算された督促状が届きます。
これは本人だけでなく、世帯主や配偶者にも送付されます。
財産の差押え
督促状を無視して支払いをしない場合、最終的に銀行預金や給与、不動産などの財産が差し押さえられることもあるそうです。
年金滞納による強制徴収は実際に執行されているとか。
国民年金の保険料を払わないことには、将来受け取る年金額が減るだけでなく、もしもの時の「障害年金」や「遺族年金」がもらえないという大きなリスク、そして財産の差押えという法的リスクも伴います。

中学や高校までは、いろんなことが何とかなってきたような気がするけど、これからはそうはいかなさそうで、ちょっと怖いな…。
学生の方には「学生納付特例制度」という制度もあります。こちらに簡単に書いていますので、もしよろしければご覧ください。
より詳しく知りたい方は、以下の日本年金機構のページも参考になりますよ。
[参考]
日本年金機構「日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)」
ちなみに、父さんが払っていない国民年金の話はこちらです
年金って、いくらもらえるの?はこちらです

