年金や制度って、なんだろう?
子どもに聞かれて、うまく答えられなかった。
その経験を出発点に、このブログでは、社会保障のしくみを、ひとつずつ、いっしょに見ていきたいと思います。
国民年金の未納
今回は、私自身の体験をもとにした、少しだけ個人的なお話です。
20歳前後の頃だったと思います、役所から”ネンキン”の件で電話がありました。しかし、私は無知で内容をよく理解することができませんでした。
1990年代前半のその頃は、学生向けに、英会話教室や旅行やイベントなどの勧誘が多く、そんなもの一つだろうぐらいの感覚で適当に電話を切ってしまったんです。
今思えば自宅に封書も来ていたのだと思いますが記憶がありません。本当に遊んでばかりで授業のことも社会の制度のことも勉強をしないバカな大学生でした。自営業の親とは、当時も、年金の話などしたことはなかったんじゃないかなと思います。
その後、会社員になり、厚生年金に加入しました。もちろん、「厚生年金」という言葉もその意味も、当時は何もわかっていませんでした。
子どもとの会話をきっかけに年金について学んだ時、自分が満額を受け取れないことを知りました。学生時代に未納だった自分のせいです。遡っての追納が可能な10年もとうに過ぎていました。
任意加入制度
将来の年金額を少しでも増やせないかと思い、調べてみました。すると、「国民年金に任意で加入する」という制度があることを知りました。60歳以降も保険料を支払うことで、将来もらえる年金額を増やせる仕組みです。
でも私は選ばないつもりです
計算すると、追加で払った分の元を取るには、 70代半ば以降まで生きる必要があることがわかりました。
いま、平均寿命は男性で約81歳です。でも、私は持病があり、その病気は一般的に「平均より10年ほど短くなる可能性がある」と言われています。
そう考えると、追加で払った分の元が取れる可能性は高くない。もちろん、長生きする可能性もゼロではありません。遅ればせながら健康寿命を延ばす努力も始めました。しかし、今の自分の状況と向き合ったうえで、現時点ではこの選択が自然だと感じています。
もちろん、制度の活用は、それぞれの人生設計や健康状態によって異なると思います。これが正解かどうかは、私自身の人生が終わってみないとわかりません。
学生時代に年金を納めなかったのは、完全に私自身の選択でした。無知だったことも、無関心だったことも、すべて私の責任です。
満額を受け取れないと知ったとき 「制度を知ろうとしなかった自分が悪い」と思いました。
でも、子どもとの会話をきっかけに、こうして自分の将来と向き合えたことは、とても大きな収穫でした。
今回の語りが、誰かの人生を考えるヒントになれば嬉しく思います。
[参考]
日本年金機構「任意加入制度」

