
長男
年金って、ほんとに払った分はもらえるの?

父
元が取れるのかってことだね。
年金って、なんだろう?
子どもに聞かれて、うまく答えられなかった。
このシリーズでは、そんな問いの入り口を、ひとつずつやさしく整理しています。
毎月17,510円(令和7年度)を、将来もらえるかどうかわからないものに払い続けるのは、たしかに不安になりますよね。
今回は、「払った分は返ってくるの?」という問いについて、 数字と仕組みをもとに、やさしく整理してみます。
結論から言うと?
多くの人が、払った分以上の年金を受け取っています
国民年金は、払った分以上の金額を、高確率で受け取ることができる制度です。
もちろん、個人差はありますが、平均寿命と照らし合わせると、 多くの人が「元を取っている」ことがわかります。
元が取れる年齢の目安
75歳と2か月以上生きれば、元が取れる計算です
以下は令和7年度の金額を元にした、ざっくりとした試算です。
・保険料:17,510円 × 480ヶ月(40年) ≒ 約840万円
・年金額:69,308円 × 12ヶ月 ≒ 約83万円/年(新規裁定者)
・840万円 ÷ 83万円/年 ≒ 約10.12年
・受給開始:65歳 → 65歳 + 約10年 ≒ 75歳と2か月
つまり75歳と2か月以上生きれば、支払った保険料の元は取れると"机上の計算では"そうなります。
※計算に物価や賃金上昇、マクロ経済スライドは考慮していません。
平均寿命と照らし合わせると?
男女ともに、平均寿命は75歳を大きく上回っています
厚生労働省「令和6年簡易生命表」によると——
- 男性:約81.09年
- 女性:約87.13年
多くの人が、年金の受給期間が10年以上になる可能性が高いことがわかります。
もし長生きできなかったら損?
もしもの時にも備える「保険」の役割があります
若くして亡くなってしまった場合、遺族年金が支給される可能性があります。
また、病気やケガで障害を負ってしまった場合は、障害年金が支給されることもあります。
年金は老後の生活を支えるだけでなく、「もしもの時」に備える社会保険としての役割も担っています。
「国民年金は損だ」という声も聞きますが、実際には、多くの方が払った分以上の年金を受け取っているのが現実です。
毎年の支払額や受給額は変動する可能性がありますが、「損か?」と聞かれれば、損ではないーーそんな制度設計になっています。
詳しく知りたい方は、以下の公式サイトをご覧ください。